秋霜慈雨
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ある春の夜、住宅街で 中年男性が刺殺体で発見された。警察の調べにより、その3日前に都心で女子大生が絞殺された 事件との関連が判明したが、捜査は手詰まりに。一方、被害者はネット上で「疑似家族」を 作っており、錯綜した人間関係が拡がっていた・・・。現代を切りとる、緊迫の書き下ろしミステリー!(紹介文を引用)
★★☆☆☆
決して面白くないわけではないのですが、展開も犯人も早いうちに分かってしまったので 若干物足りないものを感じました。最後刑事さんが用意したのが全部ニセモノだった( 擬似家族のことです)ところが手が込んでますけど。あとはあんまり 印象に残ってないです。 どうもドラマ化もされたようですね。
それぞれは社会面のありふれた記事だった。一人めはマンションの屋上から飛び降りた。 二人めは地下鉄に飛び込んだ。そして三人めはタクシーの前に。 何人たりとも相互の関連など想像し得べくもなく仕組まれた三つの死。 さらに魔の手は四人めに伸びていた・・・・・。だが、逮捕されたタクシー運転手の甥、 守は知らず知らず事件の真相に迫っていたのだった。 日本推理サスペンス大賞受賞作。
(紹介文を引用)
★★★★☆
私がはじめて読んだ宮部作品がこれ。 宮部みゆきという人の本がおもしろいというのは、何人かの人に聞かされていて、そんなにおもしろいなら 読んでみようと買ったのだが、いざ読もうとするには踏ん切りがつかなかった。 だって少し分厚かったから・・・・。私は、本さえあれば少しくらいなら 食事をしなくても、睡眠をとらなくても幸せという本好きだが、読書熱にも波があって、 一時は熱に浮かされたようにどんな本でも読みまくるが、醒めてしまうと本を手に取るまでに かなり時間がかかる。ちょうど、この本を買った頃は読書熱が醒めていて「魔術はささやく」は しばらく本棚に埋もれていた。 読み出してみて、まったく後悔した。なんで早く読まなかったんだ!。
少し不条理だったり、少し理不尽だったり、少し悲しかったり、少し嬉しかったり、そんな 社会の隅からこぼれてきたような感情がうまく拾ってある。
★☆☆☆☆ホラーです。でも、本格ホラーというほどの怖さではなくてちょっぴり怖いという感じ。 私は怖がりなので、人によっては全然怖くないと思うかもしれません。わたしの場合 心霊ものだという心構えなしに読んでしまったのでよけい怖いと感じたのかも。
★★★☆☆
失恋からコンピューター犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理の動きを描く表題作。 「火車」の原型ともいえる「裏切らないで」。切なくあたたかい「ドルネシアにようこそ」 など6編を収録。日々の生活と幻想が交錯する東京。街と人の姿を鮮やかに描き、 爽やかでハートウォーミングな読後感を残す。宮部みゆきワールドを確立し、その魅力の全てが 凝縮された山本賞受賞前夜の作品集。
(紹介文を引用)
「返事はいらない」・「ドルネシアにようこそ」・「言わずにおいて」・「聞こえていますか」 ・「裏切らないで」・「私はついてない」
この中で私のおすすめは「返事はいらない」。主人公は失恋の痛手から犯罪をおかすことになるのですが 、そうすることによって自暴自棄ではなく逆に人生に前向きになっていくのです。こういう結論が現実に あったらまずいでしょうが、登場する刑事さん、いい感じですね。
「いわずにおいて」はこういう行動をとらざるをえなくなった男性の気持が 切ないですね。ただ、結果的にうまくいったからいいけど、「あいつだ。やっとみつけた」と 叫ぶなんて、他人の迷惑をどう考えてるんだと思ってしまう部分もあって、 楽しく読めたとはちょっといえないです。
「わたしはついてない」は登場する少年がいいですね。それに引き換えこの姉さんはなんだ? ちょっとなさけないぞ。ちなみに私はお局様にも同情してしまいました。少年のようには なかなか考えられないと思うぞ。
僕は三田村誠。中学一年。父と母そして妹の智子の四人家族だ。僕たちは念願のタウンハウスに 引っ越してきたのだが、隣家の女性が室内で飼っているスピッツ・ミリーの鳴き声に終日 悩まされることになった。僕と智子は、家によく遊びに来る毅彦おじさんと組み、ミリーを ”誘拐”したのだが・・・・。表題作以下五編収録。 解説・北村 薫
(紹介文を引用)
「我らが隣人の犯罪」・「この子誰の子」・「サボテンの花」・「祝・殺人」・ 「気分は自殺願望」
★★★★☆
短編集の中ではぴか一です。「われらが隣人の犯罪」も「サボテンの花」も 「この子誰の子」もよいです〜♪紹介してくださった方には感謝してます。
嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道ばたで自転車をパンクさせ、 立ち往生していた少年を拾った。なんとなく不思議なところがあるその少年、稲村慎司は言った。 「僕は超常能力者なんだ」。その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した死亡事故の 真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ。・・・・宮部みゆきのブロックバスター 待望の文庫化。
(紹介文を引用)
★★★★☆
あんまり書くとネタバレになってしまうので詳しく書かないけれど絶対おすすめ。
中学生の双子の兄弟が住む家に落っこちてきたのは、何とプロの泥棒だった。 そして、一緒に暮らし始めた3人。まるで父子のような(!?)家庭生活がスタートする。 次々と起こる7つの事件に、ユーモアあふれる3人の会話。宮部みゆきがお贈りする、 C・ライス「スイート・ホーム殺人事件」にも匹敵する大傑作!
(紹介文を引用)
★★☆☆☆
この本の解説に当たる「メイキングオブ宮部みゆき」(P.357 L.7 新保博久)には
「ステップファザー・ステップ」はむしろ、ドナルド・ E・ウエストレイクのドートマンダー・シリーズの影響を感じさせる。
と書いてある。
確かに、プロの泥棒が落ちてくるという物語の出だしは、ドートマンダーシリーズを 彷彿とさせる。しかし、ユーモアのセンスから何から、すべてが宮部みゆき流である。私は、どうも アメリカンジョークを受けつけないタイプの人間であるらしく、残念なことにドートマンダーシリーズが おもしろいとは正直思えなかったが、この本は楽しく読むことができた。楽しいといっても、げらげら 笑えるような楽しさではない。こどもを持つならこんな子どもがほしいなぁと思わせてくれる 登場人物と、最後に「にやっ」とさせてくれるウィットに富んだストーリー。 軽い気持ちで読ませてくれる。このトリオがもう一度登場してくれないかなぁと 思ってみたりする。
本所深川をあずかる岡っ引きの茂七親分が、下っ引きの糸吉、権三とともに、江戸の下町で起こる 摩訶不思議な事件に立ち向かう。茂七に事件解決のヒントを与える謎の稲荷寿司屋や、超能力を もった拝み屋の少年など、個性あふれる登場人物たちと織りなす人情捕物話の数々。・・・・「鰹」 「白魚」「柿」「桜」など、江戸の季節を彩る「初もの」を題材に、ときに悲しく、ときに妖しく描く 時代小説。
(紹介文を引用)
★☆☆☆☆
題名が「初」だからといって、この作品の中には決してお初さんなどという人は登場してこない。 題名の「初」は「初物」、その季節の旬の食べ物で、その年初めてできたもののことなのだろう。 今はスーパーに行けばどの季節のものでも大抵は揃っていて、「旬」の時期を忘れがちになってしまう。 初物をありがたがって食べるという習慣は、まだ残っているのだろうか、などとこの本を読んで 考えてみたりした。この、茂七親分は本所深川ふしぎ草紙の第一話にも脇役として登場する。
時代小説もの。ホラー(?)
★☆☆☆☆
確か、本屋さんを舞台にしたほのぼのサスペンスタッチ(なんだそれ?)の 短編集だったような気がする。現物が手元にないのでよく覚えてません。
近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤米と折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が流れたが・・・・。 幼い頃お美津に受けた恩義を忘れず、ほのかな思いを抱き続けた職人がことの真相を探る「片葉の芦」。 お嬢さんの恋愛成就の願掛けに丑三つ参りを命ぜられた奉公人の娘おりんの出会った怪異の顛末「送り提灯」 など深川七不思議を題材に下町人情の世界を描く七編。宮部ワールド時代小説編。
(紹介文を引用)
「片葉の芦」「送り提灯」「置いてけ堀」「落葉なしの椎」「馬鹿囃子」「足洗い屋敷」「消えずの行灯」
★★☆☆☆
決してハッピーエンドではないのに、宮部みゆきの小説には心に残るものがあるような気がする。 「片葉の芦」も、そんな作品だった。苦い結末のハズなのに、生きていればいいこともあるさと思えて くるのが不思議なのだが、それは、作品の中に人の真情が描かれているからなのではないかなぁと 思ったりもする。そして、それが他人との関わり合いの中で絵描かれているからこそ、こんなにも心を 打つのかもしれないと。これも時代小説もの。
近所づきあいというものがもっと昔ほどに生き残っていれば、「お互いさま」という気持ちを もっと素直に出せるような気がするなどとも思ったりした。
超能力をテーマにした短編集です。現物が手元にないので 詳しいことはかけません。
13歳の八木沢順が、刑事である父の道雄と生活を始めたのは、ウォーターフロントとして 注目を集めている、隅田川と荒川にはさまれた東京の下町だった。そのころ町内では、”ある家で 人殺しがあった”という噂で持ちきりだった。はたして荒川でバラバラ死体の一部が発見されて・・・・・。 現代社会の奇怪な深淵をさわやかな筆致で抉る、宮部作品の傑作、ついに文庫化!
(紹介文を引用)
★★★☆☆
宮部みゆきさんの作品にはよく下町が登場する。 時代物のほとんどが江戸、それも深川を舞台としているのはよく知られていると言っていいだろう。 これも、そんな長屋意識をわずかに残した下町が舞台になっている。 もちろん下町という場も決して時代の波から自由ではいられない。 でも、下町の雰囲気というのは必ずしも場所から生まれるのではないような気がする。 八木沢順を主人公とする推理小説です。この本はおもしろかった。
題名 | 著者 (共著者等) | 本体 価格 | 出版社 |
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運命の剣 のきばしら | リレー小説 中村隆資他 | ? | ? |
江戸市井図絵* | 柴田錬三郎 藤沢周平 村上元三 | 738 | 新潮社 |
火車(かしゃ) | ー | ? 1553 | 双葉社 |
かまいたち | ー | 505 1359 | 新潮社 新人物往来社 |
蒲生邸事件 | ー | 1650 | 毎日新聞社 |
堪忍箱 | ー | 1456 | 新人物往来社 |
幻色江戸ごよみ | ー | 1456 | 新人物往来社 |
心とろかすような マサの事件簿 | ー | 1300 | 東京創元社 |
今夜は眠れない | ー | 854 1214 | 中央公論社 |
淋しい狩人 | ー | 466 1359 | 新潮社 |
ステップファザー・ ステップ | ー | 563 1359 | 講談社 |
スナーク狩り | ー | 1068 | 光文社 |
だからミステリーは 面白い | 高橋 克彦 大沢 在昌 他 | 1456 | 有學書林 |
地下街の雨 | ー | 1165 | 集英社 |
東京(ウォーター・フロント) 殺人暮色 | ー | 689 | 光文社 |
東京下町殺人暮色 | ー | 505 | 光文社 |
とり残されて | ー | 466 1262 | 文藝春秋 (文庫) |
長い長い殺人 | ー | 1359 | 光文社 |
パーフェクト・ブルー | ー | 563 1456 | 東京創元社 |
初ものがたり | ー | 971 | PHP研究所 |
鳩笛草 | ー | 796 | 光文社 |
人質カノン | ー | 1359 | 文藝春秋 |
平成お徒歩日記 | ー | 1500 | 新潮社 |
返事はいらない | ー | 427 | 新潮社 |
本所深川ふしぎ草紙 | ー | 427 1359 | 新潮社 新人物往来社 |
魔術はささやく | ー | 544 1359 | 新潮社 |
夢にも思わない | ー | ??? 1456 | 中央公論社 |
理由 | ー | 1800 | 朝日新聞社 |
龍は眠る | ー | 660 1456 | 新潮社 出版芸術社 |
霊験お初捕物控 震える岩 | ー | 1456 695 | 新人物往来社 講談社 |
霊験お初捕物控2 天狗風 | ー | 1800 | 新人物往来社 |
レベル7(セブン) | ー | 738 1650 | 新潮社 |
路地裏人情 | 池波正太郎 他 | 1165 | 講談社 |
我らが隣人の犯罪 | ー | 369 1165 | 文藝春秋 (文庫) |
その他 | その他 | ー | その他 |
推理短編六佳撰 | 北村薫 宮部みゆき 選 | 583 | 東京創元社 |
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